今、林真理子の著書『奇跡』が大変人気を集めています。
奇跡は2022年2月に発売後、すぐに重版が決定しており、これまでに10万部以上を売り上げている人気作。
人気の理由の一つは、実物をモデルとした実話に基づく小説であることです。
主人公は田原博子で、歌舞伎役者のモデルは元夫の片岡孝太郎です。
林真理子の奇跡の登場人物やあらすじ、実際に読んだ人の感想、今後映画化の予定はあるのかについてご紹介します。
林真理子『奇跡』の歌舞伎役者のモデルは田原博子の元夫片岡孝太郎
林真理子の『奇跡』が大ヒットしている理由の一つとして、ストーリーが実話に基づいていることが挙げられます。
主な登場人物は『主人公・元夫・再婚相手・息子・舅』で、全て実在している人物をモデルにしています。
なお、主人公の田原博子と再婚相手の田原桂一は実名で登場しますが、その他の人物は異なる名前が用いられています。
それぞれの人物像について簡単にまとめると、次のようになります。
林真理子『奇跡』のモデル①:主人公(田原博子)
主人公は田原博子です。
田原博子は裕福な家庭に生まれたお嬢様で、生年月日は1970年1月31日、現在の年齢は52歳(2022年9月時点)です。
百貨店で受付嬢をしていた時に、ファンだった片岡孝太郎と出会い結婚しています。
いわゆる梨園の妻でしたが、世界的な写真家である田原桂一と出会い、その後、大恋愛の末に離婚し田原桂一と再婚しています。
林真理子『奇跡』のモデル②:元夫(片岡孝太郎)
田原博子の元夫は歌舞伎役者の片岡孝太郎です。
作中では、清十郎の名前で登場します。
1968年1月23日生まれで、現在の年齢は54歳です。
田原博子と片岡孝太郎は1995年に結婚しましたが、2002年頃に別居し、その後2013年に協議離婚が成立しています。
別居した原因は、片岡孝太郎の女性問題だったようです。
林真理子『奇跡』のモデル③:再婚相手(田原桂一)
田原博子が不倫の末に再婚した相手は、世界的に活躍していた写真家の田原桂一です。
2017年6月、65歳の時に肺がんで亡くなっています。
前妻と離婚協議中に田原博子と出会っています。
林真理子『奇跡』のモデル④:息子(片岡千之助)
田原博子と片岡孝太郎との間には、2000年に第一子が誕生しています。
息子の名前は片岡千之助で、3歳の時から歌舞伎役者として活動しています。
作中では、清之助という名前で登場します。
3歳の片岡千之助を連れて田原博子は家を出ていますが、歌舞伎の稽古のために祖父や父親とは普通に会う関係で、祖父や父親からは愛されています。
母親の再婚相手となる二番目の父親の田原桂一からも、惜しみない愛情を受けて育っています。
林真理子『奇跡』のモデル⑤:舅(片岡仁左衛門)
田原博子の舅は、歌舞伎役者で、人間国宝に認定されている片岡仁左衛門です。
生年月日は1944年3月14日で、現在の年齢は78歳です。
作中では、清左衛門の名前で登場します。
片岡仁左衛門は孫の千之助のことを可愛がっており、現在も良好な関係を築いています。
田原博子が片岡孝太郎と離婚後に再婚相手と不倫するのが『奇跡』のあらすじ
林真理子の『奇跡』は、田原博子と田原桂一の不倫に基づいた小説です。
不倫をしているのにもかかわらず、不倫という言葉を寄せつけないほど正しく高潔であることが奇跡であるとし、林真理子はこの小説に奇跡と名付けたようです。
田原博子と田原桂一はそれぞれ結婚している相手がいる時に京都の祇園祭で出会い、京都にある教会で再会し、複数人で何度か食事をしているうちに恋に落ちたとのことです。
やがて田原博子と田原桂一は、田原桂一が借りた家で3人で暮らし始めました。
田原博子の協議離婚が成立したのは息子が15歳になってからのことでした。
この時には田原桂一も離婚していたためお互い独身でしたが、田原桂一のがんが発覚します。
しばらくしてから田原博子と田原桂一は再婚しますが、田原桂一は2017年6月にがんで亡くなってしまいます。
林真理子の『奇跡』を読んだ人の感想は?
林真理子の『奇跡』には賛否両論の感想が寄せられています。
実際に奇跡を読んだ人は、どのように感じたのかSNSの投稿やレビューから一部感想をご紹介します。
お互いに愛を貫き通したのが凄いと感じた。
どちらも相手への気持ちが消えなかった思いの強さにも感動した。
ドロドロした描写がないため綺麗な恋の思い出のように思えるけど、やはり不倫は不倫。
美談のように語っても許せない人はいると思う。
相手が友達ということがあるのか、林真理子の描写に遠慮が感じられる。
心の奥の本音を鋭く描くのが林真理子の魅力だと感じているだけに、物足りなさを感じた。
一気に読み終えてしまいました。
不倫という関係から始まったものの、ここまで愛し合える人と出会えるのはまさに奇跡だと感じました。
良い感想と悪い感想を読むと、それぞれ次のような感想が多いです。
林真理子の『奇跡』を読んだ人の良い感想
- これほどまでに愛し合える相手に巡り会えるのは凄い
- セレブな世界観でまるで映画のように素敵だった
- 不倫なのにドロドロしていなくて良い
林真理子の『奇跡』を読んだ人の悪い感想
- 淡々と物語が進むので林真理子の良さが生かされていない
- 綺麗すぎてリアリティーがない
林真理子の『奇跡』に映画化の予定はあるのか?
林真理子の『奇跡』は今後映画化の予定はあるのでしょうか?
これまでのところ映画化の予定があるとの情報は出ていませんが、個人的な予想としましては映画化される可能性はあると考えています。
そのように考えるのは、大きな話題作となった渡辺淳一の『失楽園』が映画化されていることや、不倫をテーマにした林真理子の『不機嫌な果実』の映画が1997年10月に公開されているためです。
不機嫌な果実は奇跡のように書き下ろし小説ではなく、1995年11月から1996年6月に週刊文春に連載され、その後1996年10月に書籍として出版されています。
不機嫌な果実の連載が始まってから約1年後に映画化されていますので、林真理子の奇跡も映画化されることになれば出版から1年くらい経ってから、つまり2023年2月以降かなと考えています。
まとめ
- 林真理子『奇跡』のモデルは全員実在する人物
- 林真理子『奇跡』は田原博子と田原桂一の不倫の話
- 林真理子『奇跡』は個人的には映画化する可能性が高そう
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